Mojo Cafe

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2017年6月5日月曜日

ザ・ビートルズ SGT・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド 50周年記念エディションを聴いて

少し迷いましたが、発売日から3日遅れで購入しました!The BeatlesのSGT.PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BANDの50周年記念エディションの2CD盤。


どちらかというとアウトテイクのCDに興味ありだったのですが、とりあえず順番でリミックス盤の方から聴いてみました。

正直少し聴くのが怖いところもあったのですが、(だってジャケットの帯の文句が「こんなビートルズ聴いたことない」なんてあるからどんだけ音いじくっちゃってるの?と不安でしたよ(笑))そんな不安は吹き飛ぶどころか思わず「お~・・・」と感嘆の声を漏らしてしまいました!

ビートルズを初めて聴いたのは小学校6年の時?(あまりよく覚えてない)ロックを意識的に聴き出したのは中学生になったころ、巷ではベイシティ・ローラーズやキッス、クイーン、ディープ・パープルなんかが流行っていた。

そして海の向こうではパンクムーブメント!

ビートルズにストーンズ、レッド・ツェッペリン、デビッド・ボウイ、セックス・ピストルズ、クラッシュ、スージー・クアトロ、キンクス、フー、ロッド・スチュアート、イーグルス、アース・ウィンド&ファイア、ピンク・フロイドにクラフトワーク!なんじゃ、この支離滅裂なラインナップは!

でもこんなもんですよ、ロック聴き始めの中学生なんて。当然お金もないんでFMからのエアチェックですよ(死語?)。

NHK FM の湯川れい子さんの軽音楽をあなたに、はよくお世話になりました。ロッキン・オンやヤング・ジョッキーでの渋谷陽一氏は、もはやロックの先生でした。

そんな中、ビートルズに関しては聴いてはいたもののそんなに思い入れはなかった。だっていい曲だけどすごくポップで聴きやすくて、だから周りのビートルズファンってロックファンではない人たちが多くて、むしろフォークや日本のニューミュージックを好んで聴いてるような友人がビートルズを語っているのをみて、ちょっと距離を置いていたような気がします。

でも、高校生(だったと思う)のある時聴き返したサージェントペパーのレコード。この時本当の意味でビートルズを理解し好きになったのではないかと。

素晴らしいと思いました。このレコードにはロック・ポップミュージックのすべてが盛り込まれていると思いました。そしてホワイトアルバムにアビーロード、今でもこの3枚はロック・ポップミュージックの金字塔だと思っています。

そんなロックミュージックの金字塔であるサージェントペパーが、この2017年に新たに蘇ってきました。

激しい音は激しく、繊細な音は繊細に、プロデューサーのジャイルズ・マーティンによれば「作業のポイントはサウンドのクリアーさと生演奏のパンチ力を最大限に引き出す、オリジナル盤の意図を損なわない、当時モノで録られた音を忠実にステレオ再現する」だそうです。

もう、聴けばすぐに違いがわかります。サージェントペパーのギターの歪んだ音、パワフルなドラムの音、ウィズ・ア・・リトル・ヘルプ…・のベースの弾んだ音、個人的には特にボーカルの音が良いです。声のひだのひだまで聴きとれるような感覚。ジョンの激しくもクールなボーカル、そしてポールの「シーズ・リーヴィング・ホーム」でのその吐息まで聴きとれるかのごとく繊細なボーカルには鳥肌が立つような感動を覚えます。

今や世界で一番ビートルズのテープ素材に詳しいジャイルズ・マーティンだから出来ることだし(2006年発表のビートルズのミュージカル『LOVE』での仕事による)、15歳の頃から父親のジョージ・マーティンの仕事に関わってきたきて当時のビートルズの作品を理解している彼だからこそする資格がある、と思いました。

リマスター、リミックスに関しては各々考え方、見解が違うと思うし好みもあるので、正解はないと思います。

でも、当時の技術では成しえなかった音造りを、ビートルズの莫大なテープ素材を全て把握しその作品の本質を、もしかしたらバンド以上に理解している人間がつくるからこそこの作品になったと思うととても納得出ます。

そう、もしかするとこれはビートルズ本人たちが求めて成しえなかった作品、『2017年版サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』なのかもしれません!

・・・・個人的にはこのリミックス盤がSGTのスタンダードになってしまうかも、です。

                               Mojo Cafe   店主