Mojo Cafe

Tel0422-27-2676
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-12-4 2F

2017年6月28日水曜日

アナログ鑑賞会:ポール・マッカートニー『ラム』特集を終えて

今回めでたく(?)2回目を迎えたMojo Cafeのアナログ鑑賞会。

Mojo Cafeのリスニング・イベントとしては他に毎月定例のRock Bar@Mojo Cafeという爆音リスニング・イベントがあるが、こちらは・・・

出演は、ビートルズ研究家として有名な藤本国彦さん(数えきれないほどのビートルズ関連本を出されてます)、ビートルズ博物館元館長、ビートルズマニアの中でも有名な野口淳さん、そしてMojo Cafeの常連であり翻訳家、音楽マニアの朝日順子さんの3人。

基本的に、曲にまつわる3人のトークや朝日順子さんによる歌詞解説(単に英語に長けている、という事をはるかに超えて、作品・時代背景や、言葉の表現の裏までも読み取る新機軸の歌詞解説であり最近注目されています)などを交えながら、野口さんご所有の数々のアナログレコードを爆音で聴く内容で、野口さんが定例でライブハウスで開催されているビートルズ・アナログ鑑賞会のスピンオフ企画。

ライブハウスとは一味違うMojo Cafeならではのアットホームで自由度の高い雰囲気がこの会の持ち味になっている。

今回はポール(&リンダ)マッカートニーの1971年作品『ラム』

この作品、ポールの数ある作品の中でも一、二を争うほどの名作であると思うが、一般的な知名度としたら?と考えるとお客様は如何程に・・・?






という心配は意味のない事でした(笑)。



ご覧の通り超満員!

オープン1時間半まえから店の前に人が並び始めました。ビックリ!

これもご出演の3名がいかに人気があるかを物語る一コマですね。



そして今回のアナログレコードの内容はというと・・・
これ、会場で配られた本日のレジュメ。

前半はUKオリジナルで聴くRAM。
後半は各国盤のシングルやLPを1曲ずつ。
そして特筆すべきはカバーバージョン。際物ミュージシャンとして名高い(?)スクリーミン・ジェイ・ホーキンスのモンクベリー・ムーン・デライト、そしてカバーと言っていいのか?ツイン・フリークス(ポールとDJフリーランス・ヘルレイザのユニット)のロング・ヘアード・レディーが最高に面白かった。(ロング・・・は、申し訳ないことにアルバムレーベルがわかりにくくて本編ではかけられず、イベント終了後のBGMとして流すことになってしまい申し訳なかったです)

そして本編とは別に、幻のアルバム、通称ロスト・ペパーランド・アルバムについても解説していただきました。

今回も1台のレコードプレイヤーで次々とアナログ盤をかけさせていただきましたが、これを順調に進行させられたのも朝日智士氏による貢献が大きく、この場を借りてお礼申し上げます!

音楽の楽しみ方は人それぞれで、音楽へのかかわり方、思い入れ、音楽に求めるもの等などみんな違うと思いますが、このようなリスニングイベントに参加するのもまた一興ではないでしょうか。ご出演お三方のトークと解説はなかなか聞くことが出来ない内容ですし、かかるアナログ盤は珍しいを通り越した貴重盤ばかり。(だから何だ、と言わずに楽しんだもの勝ち:笑)Mojo Cafeの爆音サウンドは、オーディオマニアの求める音質の良さではなく、この木造建物で高く立体的な空間に鳴り響くアナログの音が妙にマッチしているMojo Cafeだけのサウンドになっていると・・・手前味噌ですが・・・

今回は予想を超えた参加人数となり、立ち見となってしまったお客様、また用意していたレジュメも足りなくなるなど一部ご不便をおかけしたお客様もいらっしゃったこと、大変申し訳ございませんでした。これからも少しでも多くのお客様に楽しんでいただけるよう努力する所存でございますので、今後ともよろしくお願いいたします。

今後の『アナログ鑑賞会』は未定ですが、またMojo CafeホームページやSNSなどを通じてご案内させていただきます。また、毎月定例第2月曜開催の『Rock Bar@Mojo Cafe』へも是非足をお運びください。

                                Mojo Cafe   店主

2017年6月21日水曜日

こいつの季節がやってきた!自家製ミント使用スペシャル・モヒート

ジメジメした嫌な季節になってっきたけど、こいつで爽やかにぶっ飛ばしてください!

自家製ミントを使用したメッチャ香り高いMojo Cafeのスペシャル・モヒート!今月よりご提供はじまってます。

自宅の庭で自然栽培されたミントを使用しているから、通常のモヒートよりかなりミントの香りが強く出ています。






ライムもたくさん入れて、ラム酒の香りと相まって何とも言えない芳醇爽やかなモヒートになりますよ!




通常のモヒートの他、コーラを使用したモヒート・コーク、ラム酒の代わりにカンパリを使ったカンパリ・モヒートの3種類でご提供しています。

良かったら飲み比べてみてくださいね!








そして、このモヒートに合うお食事と言ったら、なんたってコレ!

Mojo Cafe特製スパイシー・ジンジャー・カレー!

生姜がピリッと効いた、それでいて濃厚、そして塩分油分控えめなヘルシーな特製カレー。 

この夏、Mojo Cafeの爽やかミントの特製モヒートとジンジャーのピリッとした特製カレーで夏を乗り切ってください!





2017年6月8日木曜日

小さなお店の名もないライブ

ライブに人を集めるのは難しい。

人が集まるかどうかは水物、実際にライブがはじまる直前までわからないもの。ましてやこれが『ジャズ』や『ブルース』となるとなおさらだ。

当事者としてはこんなにいい演奏、パフォーマンスを間近で、それなりに雰囲気のある会場で観ることができるのに何で人が集まらないの?とか思うのだが、お客様からしてみればそれがクラプトンやベックだったとしても、口では行きたい、と言っていたってその時の状況や気分、仕事や懐の様子、はたまた家族の事、友人からの誘い、等々様々な理由でいけないことも多いのだ!これはしょうがない!

でも、日本で本当にいいミュージシャンが育つ、生まれる為の一つにはミュージシャン自身の精進は当然だろうが感性豊かなオーディエンスが沢山いて、将来有望なミュージシャンをオーディエンスとしてサポートしてあげることが大切ではなかろうか。

特定のミュージシャンを見つけて毎回その人のライブを見に行くのも良いし、そうでなくてもいろいろなライブに足を運びその日その時のミュージシャンたちに様々な形でリアクションしてあげることがミュージシャンたちの励みにもなるしポジティブな想像力を育む要素にもなるのではなかろうか。

今、音楽の世界は10年前と比べると大きく変わってきている。レコードやCDのメディアから音楽データに変わりスマホや携帯音楽プレイヤーの普及でどこでも音楽を聴くことができる。スポティファイなどの楽曲配信やYouTubeで気軽にどんな音楽も安価に手に入れることが出来る。
このような状況において、音楽へのかかわり方も人それぞれ全く違くって来る。

しかしライブだけはそんなに変わっていない。ライブハウスなどの「箱」やハード面の変化や進化はあるが、基本的にミュージシャン側から考えるライブの形やオーディエンスが求めるライブの楽しみ方、それは細かく言えば変化してきているかもしれないが、実際昔と比べてそれほど変わっていないような気がする。

そしてこれほど手軽に音楽が聴ける環境になってきているにもかかわらずライブの数は増えているように思う。いわゆる『箱』もライブハウスだけではなく、今やカフェやバー、レストランなど至る所で様々なライブが行われている状況である。

これはもう、ミュージシャンが自分たちの音楽をダイレクトに人に届ける、みんなに自分たちの音楽を知ってもらう、はたまた、(下衆な話ではあるが)金を稼ぐ、手段としても(有効かどうかはともかく)もうライブしかないのではないか?

そう、巷ではフェスも大盛り上がり、いろいろなミュージシャンが来日するし東京にいればかなり楽しいライブを見る事ができる環境だが、でもそれはかなりメジャーなミュージシャン、もしくはレジェンド、と呼ばれるようなベテランミュージシャンにある程度限られてくるような気がする。

昔のようにメジャーレコード会社でもある程度『投資』と考えて一般受けしにくいミュージシャンを発掘する、育てるという環境は、もう今や無い。詳しくは知らないが、CDなんか5000枚は売れないと扱ってくれないのではなかろうか?そして5000枚くらい売れたぐらいじゃミュージシャンも食っていけないよね。

はたまたインディーレーベルから火がついてメジャーになっていく構図ももうない。もうCDなどのメディアが売れないんだからしょうがない。

となると無名のミュージシャンたちが自分の音楽を人に届けて、しかも稼ぐ、となるともうライブしかないのだ。逆にライブがよくなければ人に音楽を届けることも金を稼ぐこともできない。

でも、ライブができる環境は充実してきている。演奏形態に多少の制約はあるがライブができる場所は昔より増えている。あとは人が集まるかどうかだ。

コンサート会場やライブハウスではない、小さな飲食店などでのライブは特別だ。ミュージシャンとお客様、そしてその店の持つ雰囲気が相まって一つのライブが出来上がる。ミュージシャンのプレイの質は当たり前に重要だが、お客様と店がつくるその日その時しかないスペシャルな時間と空間がそのライブを特別なものにしてくれるのだ。

どうか一度このような小さなお店でのライブを体験してほしい。

ミュージシャンはその『箱』が大きかろうが小さかろうが絶対手を抜かない。お客様が多かろうが少なかろうがそのパフォーマンスが下がることはない。(少なくともMojo Caféでのライブはすべてそうだった)ミュージシャンは1メートル先のお客様に向けて演奏する。すぐ目の前で渾身の演奏を観ることが出来たらなんと素敵な事ではないだろうか。

こんな風に音楽を、ライブを楽しむオーディエンスが増えたら、きっとミュージシャンたちの創作意欲やパフォーマンスの良い刺激になるのではないか。そうすればまた僕たちは更に良い音楽や演奏を楽しむことができる、好循環だ。そしていつの日か自分の好きなミュージシャンたちの音楽がもっとたくさんの人たちの手に届くようななったら、とても素敵な事ではないだろうか。

音楽に対して特別な思い入れがある人は当然だが、特にそうでない人も音楽が嫌いでなければ是非機会をつくって小さなお店のライブに足を運んでいただきたい。きっと、思いもしなかった『特別な何か』を得ることができるかもしれない。

                             Mojo Café 店主
ジャズ・ギタリスト 岸本賢治

MASATO TRIO





                             MASATO

2017年6月5日月曜日

ザ・ビートルズ SGT・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド 50周年記念エディションを聴いて

少し迷いましたが、発売日から3日遅れで購入しました!The BeatlesのSGT.PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BANDの50周年記念エディションの2CD盤。


どちらかというとアウトテイクのCDに興味ありだったのですが、とりあえず順番でリミックス盤の方から聴いてみました。

正直少し聴くのが怖いところもあったのですが、(だってジャケットの帯の文句が「こんなビートルズ聴いたことない」なんてあるからどんだけ音いじくっちゃってるの?と不安でしたよ(笑))そんな不安は吹き飛ぶどころか思わず「お~・・・」と感嘆の声を漏らしてしまいました!

ビートルズを初めて聴いたのは小学校6年の時?(あまりよく覚えてない)ロックを意識的に聴き出したのは中学生になったころ、巷ではベイシティ・ローラーズやキッス、クイーン、ディープ・パープルなんかが流行っていた。

そして海の向こうではパンクムーブメント!

ビートルズにストーンズ、レッド・ツェッペリン、デビッド・ボウイ、セックス・ピストルズ、クラッシュ、スージー・クアトロ、キンクス、フー、ロッド・スチュアート、イーグルス、アース・ウィンド&ファイア、ピンク・フロイドにクラフトワーク!なんじゃ、この支離滅裂なラインナップは!

でもこんなもんですよ、ロック聴き始めの中学生なんて。当然お金もないんでFMからのエアチェックですよ(死語?)。

NHK FM の湯川れい子さんの軽音楽をあなたに、はよくお世話になりました。ロッキン・オンやヤング・ジョッキーでの渋谷陽一氏は、もはやロックの先生でした。

そんな中、ビートルズに関しては聴いてはいたもののそんなに思い入れはなかった。だっていい曲だけどすごくポップで聴きやすくて、だから周りのビートルズファンってロックファンではない人たちが多くて、むしろフォークや日本のニューミュージックを好んで聴いてるような友人がビートルズを語っているのをみて、ちょっと距離を置いていたような気がします。

でも、高校生(だったと思う)のある時聴き返したサージェントペパーのレコード。この時本当の意味でビートルズを理解し好きになったのではないかと。

素晴らしいと思いました。このレコードにはロック・ポップミュージックのすべてが盛り込まれていると思いました。そしてホワイトアルバムにアビーロード、今でもこの3枚はロック・ポップミュージックの金字塔だと思っています。

そんなロックミュージックの金字塔であるサージェントペパーが、この2017年に新たに蘇ってきました。

激しい音は激しく、繊細な音は繊細に、プロデューサーのジャイルズ・マーティンによれば「作業のポイントはサウンドのクリアーさと生演奏のパンチ力を最大限に引き出す、オリジナル盤の意図を損なわない、当時モノで録られた音を忠実にステレオ再現する」だそうです。

もう、聴けばすぐに違いがわかります。サージェントペパーのギターの歪んだ音、パワフルなドラムの音、ウィズ・ア・・リトル・ヘルプ…・のベースの弾んだ音、個人的には特にボーカルの音が良いです。声のひだのひだまで聴きとれるような感覚。ジョンの激しくもクールなボーカル、そしてポールの「シーズ・リーヴィング・ホーム」でのその吐息まで聴きとれるかのごとく繊細なボーカルには鳥肌が立つような感動を覚えます。

今や世界で一番ビートルズのテープ素材に詳しいジャイルズ・マーティンだから出来ることだし(2006年発表のビートルズのミュージカル『LOVE』での仕事による)、15歳の頃から父親のジョージ・マーティンの仕事に関わってきたきて当時のビートルズの作品を理解している彼だからこそする資格がある、と思いました。

リマスター、リミックスに関しては各々考え方、見解が違うと思うし好みもあるので、正解はないと思います。

でも、当時の技術では成しえなかった音造りを、ビートルズの莫大なテープ素材を全て把握しその作品の本質を、もしかしたらバンド以上に理解している人間がつくるからこそこの作品になったと思うととても納得出ます。

そう、もしかするとこれはビートルズ本人たちが求めて成しえなかった作品、『2017年版サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』なのかもしれません!

・・・・個人的にはこのリミックス盤がSGTのスタンダードになってしまうかも、です。

                               Mojo Cafe   店主